諏訪酒造 鳥取県智頭町
鳥取市内中心部を流れる1級河川、千代川(せんだいがわ)の源流をたどると、
県東南部山間地の智頭町へ行き着く。
中国山地の土砂や岩などが運ばれる間に砕かれて細かい砂となり、
日本海に流れ出た後、陸へ押し戻されて長年かけて鳥取砂丘ができた。
その源流に近い水を使った酒造りをするのが諏訪酒造(鳥取県智頭町)だ。
創業は江戸時代後期の1859年。智頭町はかつて参勤交代の宿場町として栄えた。
諏訪酒造はまさに、その宿場町の中心部だった智頭宿と呼ばれる地区にある。
当時の栄華を彷彿(ほうふつ)とさせる歴史情緒あふれる建物が並ぶ。
酒蔵内でくみ上げている千代川の伏流水は超軟水で、
「諏訪泉」も口当たりがいいのが特徴だ。だが決して甘口ではない。
「甘いのをうまみと感じるのは勘違い。うちの酒はうまみのある辛口」と
東田雅彦取締役最高執行責任者(COO)は強調する。
あくまでもコメとこうじに由来するうまみを最大限引き出すことを重視している。